マグロ(魚)は腐る前が一番美味しいってホント?
肉は腐りかけが美味しいなどとよく言いますね。
調べてみると、牛肉は時間の経過とともに牛肉の中にある酵素の働きにより、タンパク質が分解されてアミノ酸などの旨味成分に変わる時、つまり、この熟成期(腐りかけ)の牛肉がもっとも旨い。とのこと。
「ほほーなるほど~」と思いながら、ふとこんなことが浮かんできました。
「肉が腐りかけがもっとも旨味が出るのであれば、魚はどうなの?」
で、今回は魚をもっともおいしくいただくには、いつが一番おいしいのか?を調べてみました。
かなり興味深い内容となりました。
「魚は鮮度が命」って本当なの?
「魚は鮮度が命」
いつしか、私の中では「魚は新鮮はほど美味しい」といった常識が出来上がっていました。
特に、刺身や寿司ネタであれば、なおのこと、この鮮度は気になるところです。
でも、調べていくうちに、「本当により新鮮な方が、旨いのだろうか?」といった疑問が出てくるようなところがいくつか出てきました。
例えば、年末年始のニュースにもなる恒例のイベントの初競り。
年末に水揚げされたマグロが、年始の初競りにかけられます。
年末から年始のかけてだから、結構時間がかかるよね??
鮮度からいったら、決して新鮮とは言えないと思うけど…
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マグロは水揚げ後、何日でお客さんの口に入る?
では、この年末に水揚げされたマグロ。
水揚げされてから、いったいどれくらいで、消費者(お客さん)の口に入ることになるでしょうか?
計算をしてみると、輸送も考えれば、最低でも1週間~10日はかかる。
もしも本当に「鮮度が命」であれば、わざわざ年をまたいで、競りにかけるでしょうか?
縁起物とはいえ、バカ高い価格で落札するほどに価値があるのだろうか?
素朴な疑問がわいてきます。
ちなみに、2017年のマグロの初競り値段は、すしざんまいの7420万円!過去2番目に高い価格での落札となったそうです。
そこで、どんどんと調べていくうちに、面白いことが分かってきました。
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魚の死後硬直はいつ起こる?
では、マグロは水揚げされてから、どんな状態、経緯をたどって、消費者の口に入るでしょうか?
動物はすべて、死んでから一定の時間がたつと、筋肉がかたくなります。
この現象を死後硬直というわけですが、これは人間も、そして、魚も死後硬直は起こります。
では、魚がどのようにして死後硬直が起きるのか?その仕組みについてお話します。
魚の身肉の中にはATP(アデノシン三リン酸)と呼ばれる物質が含まれています。
このATPは、主に筋肉を収縮させたり、発熱を起こさせたりする物質です。
魚が生きている時は、このATPが常に生成されるので問題はなのですが、死んでしまうと、このATPが生成されなくなり、やがて、ATPが枯渇することなります。
ATPが枯渇すると、どうなるかというと…
魚の中のATPが無くなると、筋肉を構成するたんぱく質のアクチンとミオシンという成分が結合し始めます。
これが死後硬直の始まりとなりとなります。
そして、時間の経過とともに、この死後硬直が徐々に解かれ、熟成 →腐敗へと状態は進んでいきます。
魚肉の旨味はいつ生成される?
魚がもっとも美味しいと言われる時期は、熟成の時期にあたります。
魚の死後、細胞内の酵素の働きで、旨味成分でもあるイノシン酸が増えてきます。
つまり、腐敗の段階に入る前の熟成期が、もっとも旨味成分が多く、人間にとってもっとも美味しい時期となるわけです。
これらを鑑みると、年末に水揚げして、年始の初競りにかかる1週間~10日間で熟成が進み、落札後すぐに、お寿司屋さんで食べるのは、マグロがもっとも美味しくなる時間(熟成具合)を計算すると、ベストタイミングだということなんでしょうね。
よく正月のテレビで、すしざんまいとかのお寿司屋さんで、競り落としたマグロを食べるの生中継をしています。
もちろん、演出の部分も多分にはあるものの、やはり、高額で取引されだけの価値は味覚的にいってもありってことですね!
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※今回はマグロについてのお話でしたが、実は魚は、その種類によって、もっとも美味しい食べ方が違います。
鯛や、サバ、サンマのような青物系の魚もそれぞれの特徴があります。この辺りは、また機会を改めて説明していきたいと思います。
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